⑴ 見過ごされるという特徴があること

① 見過ごされるという特徴

高次脳機能障害は、怪我をした本人も家族も高次脳機能障害であることについて気付かないことが多いという特徴があります。

高次脳機能障害のケースでは、被害者は事故前と比べても身体的な症状はほぼ以前と変わらないことから見過ごされてしまうのです。

本人も家族も、事故後に何か記憶力がすごく悪くなったことは認識するのですが、日常生活には大きな支障がないため、それが交通事故による後遺症であるとは気付かないことが多いのです。

しかし、高次脳機能障害としての、言語障害、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの症状により、日常生活や社会生活や仕事に影響を及ぼすことから、適切な後遺障害等級及び補償を受けないと本人及びご家族の生活は破綻してしまいます。

当事務所で対応している高次脳機能障害のケースの多くは、最初から高次脳機能障害ということで相談に来られた訳ではありませんでした。当事務所に相談に来られて、CT画像やMRI画像を確認したところ、脳に異常が発見されて初めて高次脳機能障害である可能性があることがわかったのです。

それほど高次脳機能障害は見過ごされやすい性格があるということに注意して下さい。

② 医師でさえ見過ごしてしまうことがあること

医師は怪我を治すことが仕事です。そのため、必要な治療をして、それ以上治療することがない場合、後遺症はないと診断してしまうことがあります。

なぜそのようなことがおきてしまうかというと、医師は治療の専門家であって、後遺障害等級の認定を受ける専門家ではないからです。治療と後遺障害等級の認定は観点が違うのです。

そのため、家族の方が本人の異常に気が付いていて医師に訴えているにもかかわらず、医師が対応してくれないといったケースも生じるのです。

この場合には医師に対して、後遺症としての高次脳機能障害の可能性について説明をして理解をしてもらう必要があります。

したがって、高次脳機能障害のケースでは、医師に対して適切に説明ができる弁護士に依頼しなくてはなりません。

また、医師が協力してくれない場合には、高次脳機能障害の専門の病院に転院しなくてはいけない場合もあります(画像上の異常が認められ、本人に高次脳機能障害の症状が出ていることが前提です。)。このような対応ができる弁護士に依頼しなくては高次脳機能障害で適正な等級の認定を受けることはできませんので注意して下さい。もし、高次脳機能障害である場合にはアクションをおこして現状を変えないといけないのです。

⑵ 家族が本人の変化に気が付いてあげる必要があること

高次脳機能障害は、怪我をした本人も家族も高次脳機能障害であることについて見過ごしやすいという特徴がありますが、本人が症状について自覚することは難しいので、家族が本人の異変に気付いてあげる必要があります。

当事務所では、奥さんや娘さんが夫や父親の異変に気が付いて、ご相談にきたことで、高次脳機能障害として後遺障害等級の認定を受けたケースが多くあります。

女性の方が夫や父親の異変に気が付くことが多いのは、女性の方が細かな変化に気が付きやすい(観察力が男性よりも優れている)からかもしれません。

⑶ 怪我をした本人だけではなく、家族全体の問題であること
① 一家の大黒柱の方が高次脳機能障害になってしまった場合

高次脳機能障害は、言語障害、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの症状により、日常生活や社会生活や仕事に大きな影響を及ぼし、事故前と同じように働くことができなくなることが多いため収入が大きく減少します。そのため、適正な後遺障害等級の認定を受けて適正な補償を受けることができないと、本人及び家族の生活は破綻してしまうことになります。

つまり、一家の大黒柱の方が高次脳機能障害になってしまった場合には、家族の方は、自分自身や家族全体の問題として向き合う必要があるのです。

② 家族の誰かが高次脳機能障害になってしまった場合

家族のうちどなたかが重度の高次脳機能障害になってしまった場合、他の家族が一生面倒をみていくことになります。そのため、高次脳機能障害になった方の将来の介護費の補償を受ける必要があります。

そして、将来の介護費の補償を受けるためには適正な後遺障害等級の認定を受けなくてはなりません。

つまり、家族の誰かが高次脳機能障害になってしまった場合には、家族の方は、自分自身や家族全体の問題として向き合う必要があるのです。

家族の方は、適正な後遺障害等級の認定を受けることに自分達家族の生活がかかっているということを強く自覚しておいて下さい。

⑷ 専門性・実績のある弁護士によるサポートが必要であること

高次脳機能障害において、適正な後遺障害等級の認定を受けるためには専門家による徹底したサポートを受ける必要があります。

当事務所では高次脳機能障害においては以下のサポートを行っていますが、高次脳機能障害において適正な等級の認定を受けるためにはこれくらいのレベルのサポートが求められています。