高次脳機能障害と弁護士の腕

『高次脳機能障害のケースを弁護士にお願いする場合、専門の弁護士に依頼するべきと聞きますが、実際、依頼する弁護士によってどれくらい違いがあるのでしょうか。』

という質問を受けることがあります。この質問についてお答えます。

まず、高次脳機能障害のケースは他の後遺症のケースと比べて圧倒的に難易度が高いです。

しかも、高次脳機能障害はその後遺症により元の職場に復帰できないとか全く仕事ができなくなるケースが多く、適切な等級の認定と補償を受けないと本人とそのご家族の生活が破綻してしまいますから救済の必要性がとても大きいため、この点からも高次脳機能障害を扱う弁護士には極めて高度な専門性と実績があることが求められることになります。

そして、高次脳機能障害に強い弁護士とそうでない弁護士に依頼された場合にどれくらい違いがあるかの例として、以前当所が受けた高次脳機能障害のケースについてお話します。

保険会社が等級の申請の手続を行い、頭部外傷で12級(ちなみに12級では高次脳機能障害として認定されたことにはなりません)が認定され、保険会社から650万円の示談金の提示を受けた段階で相談があった方のケースです。

このケースでは、この後、当所が異議申立ての手続きを行った結果、高次脳機能障害として9級の認定がなされ、その後、保険会社と交渉を行った結果、賠償額が4000万円となり、当初の提示額より3350万円アップしました。

このケースでは、相談者は、交通事故に強いとうたっていた弁護士に先に相談されていたのですが、その弁護士は、異議申立ての話を全くせず、12級のままで、650万円より少しだけアップさせて保険会社と和解しようとしていたとのことです。

つまり、本当に高次脳機能障害に強い弁護士に依頼するかしないかによって数千万円もの差が生じてしまうのです。

そのため、高次脳機能障害の被害者の方は、ホームページでのうたい文句だけで判断するのではなく、本当に高次脳機能障害に強い弁護士に依頼することが必要です。

そして、高次脳機能障害に強いかどうかは、高次脳機能障害のケースで後遺症の申請の手続きを行って適切な等級の獲得ができるかどうか、もしくはその実績が多数あるかで決まるといっても過言ではないでしょう。高次脳機能障害のケースで後遺症の申請を行って適切な等級をとることができないのであれば、高次脳機能障害についての専門性があるとはいえませんし、上記事例のように保険会社が手続きを進めて出た等級結果が適正であるかどうかの判断もできないので、かえって依頼者に不利益を与えてしまうおそれもあります。