10代男性は12級13号を受けていたが異議申立てにより9級10号の認定を受け3300万円増額させた事例

事故態様

相談者は、10代の男性で、横断歩道を横断中に、トラックに轢かれるという交通事故にあいました。

ご相談のきっかけ

脳挫傷、頭蓋骨骨折について後遺障害等級12級13号の認定を受けて、示談金の提示を受けていて、別の弁護士に依頼しているが、このまま示談を進めていいのか不安であるということでご相談に来られました。

解決のための基本方針

・被害者の方は、脳挫傷、頭蓋骨骨折について後遺障害等級12級13号の認定を受けており、別の弁護士に依頼したところでした。
・既に依頼した弁護士が適正な対応をしているのであれば当事務所がお受けすることはないのですが、本件は、既に依頼を受けた弁護士が、12級13号が適切かどうか一切検討することなく、12級13号を前提として保険会社の提示額をアップさせるという方針を示していました。そして、保険会社の提示額が1000万円ほどだったのですが、その弁護士は250万円のアップを目標とするという方針を依頼者に伝えていました。
・しかし、被害者の症状、画像等の内容から、上位の等級が認定される可能性がかなり強いと考えらえられました。そして、12級13号を前提として示談してしまうと将来の被害者及びご家族の生活が破綻し、非常に大きな不利益を受けることが予想されました。
・そこで、当事務所であれば、高次脳機能障害として9級を十分に獲得することができ、それくらい重度な後遺症であることを伝え、当事務所が受任することとなりました。

解決内容

〈異議申立て〉
当事務所で異議申立てをした結果、高次脳機能障害であるとされ、後遺障害等級9級10号が認定されました。

〈保険会社との交渉〉
その後、保険会社と交渉して、当初提示額の1000万円から4300万円へと3300万円も増額させることができました。

弁護士のコメント

1 頭部外傷で12級13号の認定を受けている方は要注意
・後遺障害等級の認定を受けた場合であっても、その認定された等級が適切であるかどうか検討する必要があります。
・特に、頭蓋骨骨折や脳挫傷等の頭部外傷の事案で後遺障害等級12級13号の認定を受けている場合には要注意です。本来は高次脳機能障害のケースであっても適切な後遺障害等級の申請がなされなかった場合には、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号にとどまることが多く見られます。この場合には異議申立てをして適切な等級の認定を受ける必要があります。
・本件でも、当事務所が異議申立てを対応することで3等級も上がって、9級10号の認定を受けることができました。
・そして、その結果、交渉により賠償額を当初提示額よりも3300万円もアップすることがきました。

2 頭部外傷、高次脳機能障害に強い専門の弁護士に依頼する必要があること
・交通事故の重傷のケースにおいて弁護士に依頼することは必須であることは当然であるとして、さらに頭部外傷、高次脳機能障害に強い専門の弁護士に依頼することは必須です。
・頭部外傷、高次脳機能障害に強くない弁護士に依頼してしまうと、適正な補償を受けることができず、ご本人及びご家族の生活が破綻してしまいます。
・本件において、先に依頼を受けていた弁護士は、なんと、12級13号の認定内容が適切かどうか検討しようとさえしていなかったのです。そして、その弁護士は、12級13号を前提として保険会社の提示額250万円のアップすることを目標とし、それが適正であると依頼者に伝えていたのです。
・被害者の方の症状は、事故状況、これまでの治療経過、現在の症状からするととても12級13号レベルの後遺症ではありませんでした。
・当事務所が異議申立てをすることで12級から9級に等級が上がり、賠償額3300万円アップしたことで被害者とそのご家族の方は大変感謝して頂いたと同時に、もし、あのまま元の弁護士に依頼を継続していたらと思うととても恐ろしいとお話していました。
・弁護士にも得意、不得意があります。頭部外傷、高次脳機能障害に強い専門の弁護士に依頼することも自己責任なのです。
・当事務所では、既に依頼されている弁護士が適正な対応をしているのであれば当事務所がお受けすることはありません。先に依頼している弁護士に継続して依頼すべきと考えています。
・しかし、今回のケースように、先に受けた弁護士が頭部外傷で、高次脳機能障害である可能性が高いにも関わらず、12級13号が適正な等級であるかさえ検討しないで示談しようとしていることは、将来の被害者及びご家族の生活を考えた場合、到底見過ごすことはできませんでした。12級13号で250万円アップ程度で示談していれば、数年で被害者及びご家族の生活は破綻していたでしょう。
・弁護士にも得意、不得意があります。頭部外傷のケースで既に他の弁護士に依頼してしまっている方であっても、ご相談にのりますのでご連絡下さい。高次脳機能障害に強い専門の弁護士に依頼することは自己責任であることをよく理解して下さい。