もうダメかと思った!

頭部の外傷を原因とする高次脳機能障害の後遺症は非常に見過ごされやすいという特徴をもつ後遺症ですが、ご家族が元の状態に戻ってほしいという強い思いがその見過ごしの原因となることがありますので、注意が必要です。

交通事故で頭を怪我をして、意識不明になってしまい、集中治療室に何日も入って、その後、以前と比べて記憶力や判断力が明らかに低下しているにもかかわらず、高次脳機能障害が見過ごされることが多くみられます。

これほど重傷で意識不明の状態が続いた方でも意識が戻ってご家族と話をすることができる状態まで回復することが多いのですが、ご家族の方は、最悪の事態を想定している場合が多いので、話すことができるまで回復したことで、ほっとして、それでもう大丈夫だと思ってしまう方が非常に多いのです。このとき、ご家族は、「もうダメかと思った」、「もう元のように戻らないと思った」と感じています。

そして、ご家族としては、障害なんて残ってほしくないですし、元の状態に戻ってくれると強く信じます。このため、これほど重傷の方であっても高次脳機能障害の後遺症に強い弁護士に相談することなく見過ごされてしまうことがおきてしまうのです。