頭部外傷、高次脳機能障害の症状で、被害者請求により高次脳機能障害を含む併合6級の認定を受けたものの、相手方保険会社が認定された等級を否定して300万円の支払いしかしないと主張しため、裁判を行った結果、当方の主張が全面的に認められて、8000万円(自賠責保険金、人身傷害保険金含む)の賠償の支払いを受けることができたケース【359】

後遺障害内容: 高次脳機能障害、耳鳴り
後遺障害等級: 後遺障害等7級4号及び12級相当の併合6級
解決方法:   裁判
被害者:    10代 少年 

【ご相談のきっかけ】

ご両親より、治療にあたっている病院が協力的ではなく、また、保険会社は責任を認めず治療費の支払いさえもしないという非常に不誠実な対応をとっており、今後についてどうしたらいいのか全くわからず、高次脳機能障害について専門性と実績を持っている当所に是非お願いしたいということで、ご依頼を受けました。

【解決のための基本方針】

・本件では、本人には高次脳機能障害の典型的な症状がみられるにもかかわらず、先に通院していた病院で医師が高次脳機能障害の後遺症がないと診断しているケースでした。

・しかし、病院より画像と診療録を取得してその内容を精査したところ、脳挫傷の画像所見が認められました。

・そして、病院は本人に対して適切なフォローを行っていませんでした。

・そして、本人と家族と信頼関係が壊れている病院に対して、今後も治療や検査を依頼し、かつその後の後遺障害等級の申請のために必要な検査や後遺障害診断書の作成を依頼することは困難であることが予想されました。

・そのため、高次脳機能障害の専門の病院に転院の上、必要な検査を行った上で後遺症の申請をするという方針をとることにしました。

・さらに、本件は子供のケースであり、大人とは異なるサポートが必要なり、難易度も大人のケースよりも高いですが、当所では子供の高次脳機能障害についても実績があるので自信をもってお受けしました。

【 解決内容】

〈被害者請求〉

病院同行を何度も行い、後遺障害等級の認定を受けるためのサポートを行い、当事務所で後遺障害等級の申請をした結果、高次脳機能障害について7級4号、耳鳴りの症状で12級相当の併せた6級の認定を受けることができました。

〈裁判〉

・その後、相手方保険会社に賠償請求したところ、相手方保険会社は、認定された等級について否定し、また過失割合も50:50であり、300万円の支払い義務しかないと主張してきたため、裁判を行うこととしました。

・裁判では、当方の主張がほぼ全面的に認められて、8000万円(自賠責保険金、人身傷害保険金含む)の賠償の支払いを受けることができました。過失割合も20:80とすることができました。

【弁護士のコメント】

1 高次脳機能障害は見過ごされやすいという性格があること

・高次脳機能障害の特徴はなんといっても見過ごされるおそれがあることです。そして、この見過ごしは病院でも当たり前のようにおこりうることに注意して下さい。

・これまでご依頼を受けたケースでも、最初の病院では脳の異常がないと言われたけど、心配になって別の病院に行って検査をしたところ、脳の異常がみつかりましたということは何度もありました。それだけ脳の画像の診断の難易度が高いのです。

2 子供の高次脳機能障害のケースの特殊性

・子供は成長過程にあるため、事故前と事故後の比較が難しいため、子供の高次脳機能障害は大人の場合と比較して一層見過ごされやすいという性格が強くなります。

・そのため、子供の高次脳機能障害のケースでは、手術を行ったかなり重傷のケースであっても見過ごされることが多いので、注意が必要です。

・本件でも最初に通院した2つの病院で高次脳機能障害を見過ごしていました。

・また、子供の場合には、大人の場合と認定の方法が異なり、高次脳機能障害の等級の認定を受ける難易度が大人のケースよりも高くなり、より専門性が求められますので、子供の高次脳機能障害について実績がしっかりある弁護士に依頼する必要があります。

3 高次脳機能障害は裁判に進むケースが多いこと

・高次脳機能障害のケースでは、賠償額が大きくなるため、本件のケースのように不合理な主張を行って適正な保険金を支払おうとしない保険会社が存在することを理解しておく必要があります。

・保険会社が不合理な対応をする場合には、裁判を行う必要がありますので、裁判をしっかり対応できる弁護士に依頼する必要があります。

4 高次脳機能障害に実績があって徹底したサポートを行う弁護士に依頼する必要があること

・高次脳機能障害は等級認定の難易度が高く、生半可な専門性や実績では到底太刀打ちできません。

・また、高次脳機能障害で適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、被害者の方と一緒に何度も病院に行き、医師と話をしてくれることまでサポートする弁護士に依頼する必要があります。

5 まとめ

・本件は、子供の高次脳機能障害が問題となるケースであり、また、最初に通院した2つの病院で高次脳機能障害を見過ごしており、非常に難易度が高いケースでしたが、当事務所は高次脳機能障害について圧倒的な実績がありますので、自信をもってお引き受けをして、裁判でも当方の主張をほぼ全面的に裁判所に認めてもらい、しっかりとした結果を残すことができました。

・本件は、高次脳機能障害について圧倒的な実績と専門性を持つ当事務所でなければ、太刀打ちできないケースでした。

・ご家族の方も、当事務所にたどり着いて依頼することができて本当に良かったと大変感謝してくれました。